片品村の外壁塗装に補助金は出る?工事例から読み解きます
「片品村で外壁塗装をしたいけれど、村の補助金はあるんだろうか?」
「あるとしたら、塗装も対象になるんだろうか?」
そう思って調べている方に、先にお答えします。
片品村には住宅の改修に使える補助金があります。制度名は「片品村住宅新築改修等補助制度」です。補助率は工事費の10パーセント以内、上限20万円。村が公開している「補助対象工事例」には「屋根瓦の取替、外壁の補修 可」と書かれています。
ただし、ここから先を正直にお伝えします。
交付要綱にも補助対象工事例にも、「塗装」という言葉が1か所も出てきません。 村の文書を全部読みましたが、どこにも書かれていないのです。
ネットには「片品村なら外壁塗装に補助金が出ます」と断定しているページがいくつもあります。でも、村の文書にその根拠はありません。
だからこの記事では、なぜ対象になる可能性が高いと言えるのか、そしてなぜ電話で確認する必要があるのかを、村の文書の中身から順に説明します。そのうえで申請の手順と、片品村という土地で外壁塗装をするときに押さえるべきことをお伝えします。
書いているのは、高崎市片岡町を拠点に、利根沼田もまわって塗装をしているヤマトリフォームの登丸です。2代目の塗装職人です。
片品村で外壁塗装に使える補助金の中身
まず、制度の全体像を押さえます。
補助率10パーセント・上限20万円
片品村住宅新築改修等補助制度は、村民が自宅を新築・改修するときに、その費用の一部を補助する制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 工事費(消費税を除く)の10パーセント以内 |
| 上限 | 20万円(千円未満切捨) |
| 工事費の下限 | 20万円以上 |
| 回数 | 当該住宅について1度限り |
| 窓口 | 農林建設課 土木係 |
| 電話 | 0278-58-2113 |
根拠は「片品村住宅新築改修等補助金交付要綱」です。平成24年4月1日の制定で、直近の改正は令和2年3月31日。要綱と補助対象工事例は、どちらも村のホームページにPDFで置かれています。
補助率の計算は消費税を除いた額です
ここは見落とされやすい点です。
片品村の要綱は「工事費(消費税除く)」と書いています。つまり、見積書の税込金額ではなく、税抜の金額に10パーセントをかけます。
見積書が税込110万円(税抜100万円)なら、計算の基礎は100万円で補助額は10万円です。税込132万円(税抜120万円)なら12万円です。
税込で計算すると11万円、13万2000円と思ってしまいますが、実際はそれより少なくなります。1万円から2万円の差です。
近隣のみなかみ町や川場村は「税込20万円以上」という書き方なので、片品村とは計算の基準が違います。他の自治体のページを見て計算すると、金額がずれます。
なお、工事費の下限20万円が税込か税抜かは要綱から読み切れませんでした。ここは窓口で確認してください。
当該住宅について1度限りです
この制度は、同じ住宅について1度しか使えません。
過去にご自宅でこの補助金を受けていると、2度目はありません。ご両親が水まわりを直すときに使っていた、ということもあり得ます。
ご自身で把握していない場合は、農林建設課(0278-58-2113)で確認してもらえます。見積書を取る前に、まずここを押さえておいたほうが無駄がありません。
「塗装」という言葉が書かれていません
ここが、この記事の本題です。
要綱にも工事例にも出てきません
片品村の文書を2つ読みました。
1つは交付要綱。 対象工事は「個人住宅及び併用住宅の新築、改修、修繕、補修又は増築工事」と書かれているだけです。対象工事を列挙した別表はありません。要綱全体を通して、「塗装」「外壁」「屋根」という語が1つも出てきません。
もう1つは補助対象工事例というPDF。 ここに初めて「外壁」「屋根」が出てきます。可とされている工事の1つ目がこれです。
「屋根瓦の取替、外壁の補修」
ただし、ここにも「塗装」という語はありません。
つまり、交付要綱には「塗装」も「外壁」もなく、補助対象工事例には「外壁」はあるが「塗装」はない。これが村の文書の状態です。
では対象外なのか
そうとは言えません。理由は2つあります。
1つ目は、要綱の定義に当てはまることです。 要綱は対象を「改修、修繕、補修」と書いています。外壁塗装は、劣化した塗膜を塗り替えて外壁の防水性能を回復させる工事です。「補修」や「修繕」から外れる工事ではありません。
2つ目は、「否」のリストに塗装が入っていないことです。 これが大きいです。
「否」リストに挙がっているのは3つの類型だけ
補助対象工事例のPDFには、対象にならない工事も列挙されています。全部挙げるとこうなります。
| 対象外の工事 | なぜ対象外か |
|---|---|
| シロアリ駆除 | 改修工事ではない |
| 植木の剪定、造園工事 | 改修工事ではない |
| 住宅の一部または全部を取り壊す工事 | 改修工事ではない |
| 大画面テレビの購入 | 購入が主で工事ではない |
| 電化製品の取付工事 | 購入が主で工事ではない |
| 電話等の配線工事 | 購入が主で工事ではない |
| 太陽光発電システムの設置 | 別の制度の対象 |
| 車庫・物置の増改築 | 住宅ではない |
| 門扉・ブロック塀の設置 | 住宅ではない |
並べてみると、対象外になっているのは「改修工事ではないもの」「購入が主のもの」「住宅ではないもの」の3つの類型だけです。
外壁塗装は、このどの類型にも当たりません。 住宅本体の工事で、改修・修繕にあたり、購入が主ではありません。
つまり、村の文書を論理的に読むと、外壁塗装は対象になる可能性が高いと言えます。
それでも電話で確認してください
ただし、可能性が高いことと、確実であることは違います。
判断するのは村です。「外壁の補修」に塗装を含めるかどうかは、村の運用で決まります。要綱に書かれていないので、こちらが読み解いた理屈だけでは決まりません。
聞くことは3つです。外壁塗装は「外壁の補修」に含まれますか。屋根塗装は「屋根瓦の取替」とは別の扱いになりますか。そして令和8年度の受付は開いていますか。
農林建設課 土木係 0278-58-2113
電話1本、数分で終わります。「村のホームページの補助対象工事例に『外壁の補修 可』と書いてありますが、外壁塗装は含まれますか」と聞いてください。この聞き方なら、担当の方もすぐ分かります。
ここで「対象になります」と言われたら、安心して進められます。「対象外です」と言われたら、補助金なしで工事費を下げる方法に切り替えます。どちらにしても、電話1本で先が決まります。
いくら戻ってくるのか|工事費別の早見表
金額を確認します。
工事費別の早見表
補助額は工事費(税抜)の10パーセント以内です。千円未満は切り捨てになります。
| 工事費(税抜) | 補助額 |
|---|---|
| 20万円 | 2万円 |
| 50万円 | 5万円 |
| 80万円 | 8万円 |
| 100万円 | 10万円 |
| 150万円 | 15万円 |
| 200万円 | 20万円(上限) |
上限の20万円に達するのは、税抜の工事費が200万円を超えたときです。
外壁塗装では上限に届きません
標準的な30坪前後の住宅で、外壁塗装にかかる費用はこのくらいです。
| 工事の内容 | 工事費(税抜) | 補助額 |
|---|---|---|
| 外壁塗装のみ | 75万〜110万円 | 7万5000円〜11万円 |
| 屋根塗装のみ | 38万〜65万円 | 3万8000円〜6万5000円 |
| 外壁+屋根の塗装 | 95万〜150万円 | 9万5000円〜15万円 |
| 外壁塗装+屋根の葺き替え | 190万〜280万円 | 20万円(上限) |
外壁と屋根を同時に塗っても、10万円から15万円です。上限の20万円には届きません。
満額の20万円に届くのは、税抜200万円を超える工事です。屋根の葺き替えを伴う場合や、水まわりの全面改修などが該当します。
1度限りの枠をどこで使うか
この制度は当該住宅について1度限りです。だから、どの工事で使うかは考える価値があります。
屋根が塗装では済まない段階まで来ている家なら、外壁塗装と屋根の葺き替えを同時にやれば税抜200万円を超えて上限20万円に届きます。足場代も1回で済みます。これがいちばん効率のいい使い方です。
ただし、外壁の傷みが進んでいるなら待つべきではありません。待って工事の範囲が広がると、補助額の差より工事費の増え方が大きくなります。
対象にならない工事は決まっています
片品村の制度は、対象外の工事がはっきり列挙されています。ここを知っておくと見積書の作り方が変わります。
外構と付属建物は対象外です
車庫、物置、門扉、ブロック塀。これらは「住宅ではない」という理由で対象外です。
外壁塗装のときに「ついでに物置も塗ってください」「ブロック塀も塗ってください」と頼むことがあります。この分の費用は補助の対象から外れます。
だから見積書では、住宅本体と、物置や塀を別の行にしてもらってください。別になっていれば、住宅本体の金額だけを申請に乗せられます。ひとまとめにされていると、審査がそこで止まります。
太陽光発電は別の制度です
太陽光発電システムの設置は、この制度の対象外です。ただし村に使えない制度がないわけではありません。
片品村には「住宅用再生可能エネルギー等導入補助金」があります。太陽光発電、太陽熱利用、蓄電池、EV充電設備が対象です。窓口は同じ農林建設課ですが、係が違います(0278-58-2114)。
遮熱塗料を塗ることは、この再エネの制度の対象にはなりません。 対象は設備の導入だけです。遮熱塗装は、住宅新築改修等補助制度のほうで検討する話になります。
バリアフリー改修は対象です
工事例の「可」リストには、バリアフリー改修工事も入っています。手すりの設置、段差の解消、廊下幅の拡張などです。
可とされているのは、屋根瓦の取替と外壁の補修、壁紙張替等の内装工事、台所・風呂・トイレ等の改良工事、システムキッチンの設置、給湯設備の設置、シロアリ防止等の床修理、畳の表替え、ガラス(サッシ)の取替工事、堀炬燵の取付工事、バルコニー・ベランダ・テラスの設置工事、バリアフリー改修工事です。
1度限りの制度なので、将来これらの工事を予定している方は、どこで使うかを先に考えておいたほうがいいです。
施工業者は村内に本社がある会社だけ
この制度を使うなら、業者の条件を先に確認してください。
要綱での定義
交付要綱は、施工業者をこう定めています。
「村内に本社又は本店を有する事業者」
村内に本社か本店があることが条件です。営業所や連絡所では足りません。
村外の業者だと1円も出ません
ここは例外がありません。
近隣では中之条町が、町外の業者でも補助率を落として出す仕組みにしています。片品村にはその逃げ道がありません。村内に本社・本店がある事業者でなければ、補助額はゼロです。
沼田市の業者に頼んだ場合も対象外です。片品村と沼田市は生活圏が重なっているので、ここは実際に起こりやすい行き違いです。
契約前に本社の所在地を確認してください
名刺や見積書に書かれている住所を見てください。それが片品村内かどうか。
判断がつかない場合は、業者名を伝えて農林建設課に聞けば確認してもらえます。契約書にハンコを押す前に、確認してください。
片品村は人口4千人台の村です。村内で塗装を業としている事業者は多くありません。この補助金を使うなら、選べる業者は限られます。 ここは正直にお伝えしておきます。
そのうえで、考えていただきたいことがあります。外壁塗装の見積額は、業者によって20万円から40万円変わることがあります。補助額は7万5000円から15万円です。振れ幅は、補助額より見積額のほうが大きいのが実際です。
だからといって補助金を捨てる必要はありません。村内の業者から見積もりを取り、村外の業者からも1社取ってみて、補助額を引いた自己負担額で比べるのがいちばん冷静な判断です。村内業者が安ければ村内業者に。村外のほうが補助額を引いても安ければ、そちらでも構いません。1度限りの枠は、そのときは使わずに残ります。
片品村で塗れる期間は5か月だけです
ここから、片品村という土地の話に入ります。
塗料には使える気象条件があります
どの塗料にも、使ってはいけない条件が決められています。
気温が5度未満のとき、湿度が85パーセントを上回るときは作業できません。雨や雪が降っていればもちろん無理です。
守らずに塗ると、表面が乾いたように見えても内部の硬化が終わりません。結果として数年で剥がれます。これは塗料メーカーが決めていることで、業者の都合ではありません。
標高別の施工可能期間
片品村は、群馬県内でもっとも標高の高い生活圏を持つ自治体の1つです。
| 地域 | おおよその標高 | 塗装できる時期 |
|---|---|---|
| 越本・東小川 | 700〜800メートル | 5月中旬〜10月中旬 |
| 鎌田(村役場周辺) | 850メートル前後 | 5月中旬〜10月中旬 |
| 土出・花咲 | 900メートル前後 | 5月下旬〜10月上旬 |
| 戸倉 | 1000メートル前後 | 5月下旬〜10月上旬 |
鎌田あたりでも、塗れるのは約5か月です。戸倉のように標高1000メートルを超える集落では、4か月半まで縮みます。
平野部の高崎市なら3月から12月まで塗れます。片品村はその半分です。
「年度内に完了」を逆算すると
村のページに書かれている申請期間は「4月1日から翌年3月31日まで」という形になっています。年度いっぱい時間があるように見えます。
しかし、3月に片品村で外壁を塗ることはできません。11月から4月は、ほぼ全域で不可能です。
書類の上では年度いっぱい申請できますが、実際に塗れるのは5月中旬から10月中旬だけです。
外壁塗装の工期は10日から2週間です。雨で延びます。申請から交付決定までの日数も必要です。逆算すると、遅くとも8月中に申請を出しておくのが安全なラインです。
9月に動き出すと、交付決定が出たころには10月下旬です。着工しても途中で気温が足りなくなります。下塗りだけの状態で冬を越すことになり、やり直しになる可能性があります。
片品村では、春のうちに業者を決めておくのが現実的です。 雪が解けて道路が出たら動き出す、というくらいの早さでちょうどいいです。
雪が外壁を傷める3つの力と、傷む場所
片品村は特別豪雪地帯です。ここでの外壁の傷み方は、平野部とまったく違います。
1つ目は、雪が押す力です
雪は積もるだけではありません。壁を押します。
積雪は時間が経つと沈んで密度が上がります。新雪は軽いですが、春先のざらめ雪は水を含んで重くなります。この沈んでいく雪が壁面に接していると、壁を下へ引きずります。
同じ1立方メートルでも、新雪なら100キログラム前後、しまり雪で300キログラム前後、春のざらめ雪になると500キログラム前後まで増えます。
鎌田あたりでも積雪は1メートル前後、戸倉のように標高の高いところでは2メートル近く積もる年があります。壁の下部に接した雪が沈んでいくとき、サイディングの継ぎ目や水切り、雨樋の金具が少しずつ押されます。
数年では分かりません。10年、15年積み重なって、継ぎ目がずれていたり、水切りが下に傾いていたりします。
2つ目は、落雪と雪下ろしです
屋根から落ちた雪が外壁に当たります。特に下屋のある家、玄関庇の上に雪が溜まる家では、その真下の外壁が傷みます。
そして雪下ろしです。スコップやスノーダンプが壁に当たります。気をつけていても当たります。塗膜に傷が入り、そこから水が入ります。
| 傷みが出る場所 | 原因 |
|---|---|
| 下屋の真下の外壁 | 落雪が当たる |
| 玄関まわりの壁 | 雪下ろしの道具が当たる |
| 掘り出した通路に面した壁 | 雪が長く接する |
| 雨樋の下 | 落雪で金具が外れる |
雪下ろしをする家では、作業で手が触れる範囲の外壁に傷が集中します。 ここは塗り替えのときに下地処理を厚めにやる価値があります。
3つ目は、融雪水です
雪が解けた水は、重力に従って下へ流れます。そのとき、基礎と外壁の境目に溜まります。
ここには土台水切りという金属の部材が入っています。水を外へ逃がすための部材です。水切りが変形していたり、隙間が詰まっていたりすると、水が外壁の裏側に回ります。
朝は凍り、日中に解ける。これが毎日繰り返されると、水切りの周りから傷みが広がります。
腰から下が先に傷みます
ここまでの3つを合わせると、1つの結論になります。
片品村の外壁は、腰から下が先に寿命を迎えます。
積雪が1メートルなら、外壁の下1メートルは数か月のあいだ雪に埋もれています。上の部分とは完全に違う環境です。常に湿っていて、押されて、解けた水に当たり続けます。
腰より上は風と紫外線にさらされるので、色あせやチョーキングが出ます。腰より下は数か月雪に埋もれるので、塗膜の劣化と凍害、水切りの傷みが出ます。同じ壁でも、傷み方の種類が違うのです。
だから片品村では、外壁を1枚の面として見てはいけません。 下のほうだけ見れば、塗り替えどきが分かります。
ご自分で見るときは、膝から腰くらいの高さの壁をさわってみてください。 上の部分より早く、ざらついたり、粉がついたり、色が抜けたりしています。
下部に手をかける価値があります
これは業者に伝えてもらいたいことです。
塗り替えのとき、下部だけ下地処理を厚くする、あるいは下部に強い塗料を使うという選択ができます。
| やり方 | 内容 |
|---|---|
| 下部の下地処理を厚くする | 凍害で傷んだ表層を削り落としてから塗る |
| 下部に厚膜の塗料を使う | 膜を厚くして水の侵入を防ぐ |
| 土台水切りを点検・交換する | 水の逃げ道を確保する |
| 下部のシーリングを重点的に打ち替える | 継ぎ目からの侵入を止める |
全面を高いグレードの塗料にするよりも、下部の処理に手をかけたほうが、片品村では持ちが変わります。 上の部分は紫外線で色があせるだけですが、下の部分は水が入ると下地まで傷みます。
この提案を業者から受けたことがなければ、こちらから聞いてみてください。「下のほうの処理はどうしますか」と。
別荘とペンションはどうなるか
片品村には別荘やペンションが多くあります。ここの扱いをお伝えします。
別荘は対象になりません
この制度の対象者の要件は、次のとおりです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 居住 | 村内に居住し、住民基本台帳に登録されている |
| 税 | 世帯内に村税等の滞納者がいない |
| 所有 | 村内の個人住宅・併用住宅の所有者または建築主 |
| 回数 | 当該住宅について過去に受けていない |
住民基本台帳に登録されていることが条件です。 住民票を置いていない別荘は対象になりません。
東京や関東近郊に住民票があって片品村に別荘を持っている方は、残念ですがこの制度は使えません。
ペンション・民宿は併用住宅に当たるか
ここは判断が分かれるところです。
要綱の対象は「個人住宅及び併用住宅」です。ペンションや民宿で、ご家族が同じ建物に住んでいる場合、併用住宅にあたる可能性があります。その場合、住宅部分が対象になると考えられます。
ただし、これは要綱の文言から読み取れる可能性の話です。実際の線引きは村が判断します。
確認すべきことは3つです。ペンションは併用住宅として扱われますか。住宅部分と営業部分はどう按分しますか。面積比で分けるのか、別の基準があるのか。
ペンションを経営されている方は、見積書を作る前に農林建設課(0278-58-2113)に相談してください。住宅部分と営業部分を分けた見積書が必要になる可能性があります。
観光業の繁忙期と工期
片品村でもう1つ考えなければならないのが、観光のシーズンです。
| 時期 | 村の様子 | 塗装 |
|---|---|---|
| 12月〜3月 | スキーシーズン。宿は繁忙期 | 塗れない |
| 4月〜5月上旬 | 雪解け。閑散期 | まだ厳しい |
| 5月中旬〜6月 | 新緑。比較的落ち着く | 塗れる |
| 7月〜8月 | 尾瀬・避暑のシーズン | 塗れる |
| 9月〜10月中旬 | 紅葉シーズン | 塗れる |
| 10月下旬〜11月 | 閑散期 | 厳しくなる |
塗れる時期と、村が賑わう時期が重なっています。冬の閑散期は塗れません。
ペンションや民宿を経営されている方にとっては、5月中旬から6月がいちばん組みやすい時期です。スキーシーズンが終わって、尾瀬のシーズンが始まる前の谷間です。
ここを狙うなら、冬のうちに業者を決めておく必要があります。雪が解けてから探し始めると、6月には入れません。
申請から補助金交付までの流れ
手続きを順番に見ていきます。
着工前の申請が絶対条件です
交付要綱には「工事着手以前に」申請すると明記されています。
これは後から直せません。足場が立ってから申請しても受け付けてもらえません。7万円から15万円が出るはずだったものが、ゼロになります。
業者に「天気がいいうちに始めましょう」と言われても、村から交付決定が出るまでは着工しないでください。 片品村は塗れる期間が短いので、業者も急ぎたい時期です。ここはご自身の判断で止めてください。
流れ
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1 | 農林建設課に電話。塗装が対象か、今年度の受付状況、過去の受給歴を確認 |
| 2 | 村内に本社のある業者に現地調査をしてもらう |
| 3 | 明細の入った見積書をもらう |
| 4 | 様式に記入し、見積書を添えて農林建設課に提出 |
| 5 | 村の審査 |
| 6 | 交付決定の通知を受け取る |
| 7 | ここから着工 |
窓口は農林建設課の土木係です。むらづくり観光課ではありません。空き家バンクや移住支援はむらづくり観光課(0278-58-2112)ですが、この制度は農林建設課です。
見積書に入れてもらうこと
| 項目 | 理由 |
|---|---|
| 工事の箇所(外壁・屋根を分けて) | どの工事が対象か判断されるため |
| 塗装面積 | 工事の規模を示すため |
| 税抜の金額を明記 | 補助率の計算が税抜のため |
| 足場代を別項目に | 対象経費の範囲が明確になるため |
| 住宅本体と、物置・塀を分ける | 外構・付属建物は対象外のため |
| 下部の下地処理を別項目に | 雪で傷んだ部分の処理内容が分かるため |
税抜の金額を明記してもらうことは、片品村では特に大事です。補助率の計算が税抜なので、税込金額しか書かれていない見積書だと、村も申請者も計算を間違えます。
この制度で外す人の共通点
| つまずいた原因 | 対策 |
|---|---|
| 交付決定を待たずに着工した | 通知が届くまで着工しない |
| 業者の本社が村外だった | 契約前に本社所在地を確認する |
| 過去にご家族が使っていた | 申請前に農林建設課で確認する |
| 税込で計算して金額がずれた | 税抜で計算する |
| 秋に動き出して気温が足りなくなった | 8月までに申請を出す |
| 物置や塀の塗装が見積書に混ざっていた | 住宅本体と分けて書いてもらう |
空き家を買って直すなら別の制度があります
片品村には、空き家向けの大きな制度もあります。
片品村空き家バンク等活用促進事業補助金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 対象経費の10分の2以内 |
| 上限 | 100万円(若年夫婦は200万円) |
| 対象経費 | 空き家等の購入代金、増築・改修工事・修繕に要した経費 |
| 対象者 | 空き家等の購入者で、3年以上村に住所を有し生活基盤を置く方 |
| その他 | 世帯全員が公租公課を完納、所有者と3親等以内の親族でないこと |
| 窓口 | むらづくり観光課 0278-58-2112 |
上限100万円、若年夫婦なら200万円です。住宅新築改修等補助制度の20万円とは桁が違います。
購入代金と改修費の両方が対象経費に入るのが特徴です。空き家を買って直して住む方にとっては、使う価値が大きい制度です。
外壁塗装は対象になるのか
この制度の対象経費は「増築、改修工事又は修繕に要した経費」と書かれています。こちらも「塗装」「外壁」という語はありません。
住宅新築改修等補助制度と同じ構造です。改修・修繕の範囲に塗装が入るかは、村の判断になります。
長く空いていた空き家は、外壁の傷みが進んでいます。人が住んでいない家は換気がされないので、内側にも湿気がこもります。片品村のような豪雪地では、雪に埋もれたまま何年も放置された外壁は、下部が特に傷んでいます。
改修の見積書を作る段階で、外壁塗装を含めてむらづくり観光課に相談してください。
2つの制度の関係
| 制度 | 対象 | 上限 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 住宅新築改修等補助制度 | 今お住まいの住宅 | 20万円 | 農林建設課 0278-58-2113 |
| 空き家バンク等活用促進事業補助金 | 購入した空き家 | 100万円(若年夫婦200万円) | むらづくり観光課 0278-58-2112 |
ご自身がどちらに当たるかで、電話する課が変わります。今住んでいる家の塗り替えなら農林建設課、空き家を買って直すならむらづくり観光課です。
よくあるご質問
本当に外壁塗装が対象か分からないままですが
村に電話すれば、その場で分かります。
この記事では、村の文書から読み取れる範囲で「対象になる可能性が高い」とお伝えしました。でも断定はしていません。断定できる根拠が村の文書にないからです。
「外壁塗装OKです」と断言しているサイトがありますが、その根拠は示されていません。可能性の話を断定で書いているだけです。
農林建設課(0278-58-2113)に「外壁塗装は外壁の補修に含まれますか」と聞いてください。これが唯一確実な方法です。
村のページの年度表記が古いのですが
村のページに書かれている申請期間が「令和7年4月1日から令和8年3月31日まで」のままになっていることがあります。
ただし、群馬県が公開している片品村の支援制度一覧(令和8年4月時点のもの)には、この制度が現役として掲載されています。制度自体は続いていると見られます。
ページの更新が追いついていないだけの可能性が高いですが、確認は必要です。電話するときに、今年度の受付状況も一緒に聞いてください。
屋根塗装も対象になりますか
工事例に書かれているのは「屋根瓦の取替」です。塗装ではなく取替です。
屋根塗装が「屋根瓦の取替」に含まれるかは、外壁塗装より判断が難しいところです。瓦の取替と塗装は、工事の内容がはっきり違います。
ここも電話で確認してください。外壁塗装と屋根塗装を別に聞いたほうが確実です。
外壁の下のほうだけ補修することはできますか
できます。部分補修という形になります。
ただ、足場が必要な工事なので、足場代が同じようにかかります。足場代は15万円から25万円です。下部だけの補修に足場を組むのは、費用の効率がよくありません。
下部の傷みが進んでいて、上部はまだもつ場合、全面を塗り替えるタイミングを少し前に寄せて、同時にやるほうが合理的です。どのくらい前に寄せるべきかは、上部の状態で変わります。
まとめ
制度の内容をおさらい
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 片品村住宅新築改修等補助制度 |
| 補助率 | 工事費(消費税を除く)の10パーセント以内 |
| 上限 | 20万円(千円未満切捨) |
| 工事費の下限 | 20万円以上 |
| 外壁塗装 | 工事例に「外壁の補修 可」。「塗装」の明記はない |
| 回数 | 当該住宅について1度限り |
| 施工業者 | 村内に本社または本店を有する事業者 |
| 着工 | 工事着手以前に申請が必要 |
| 窓口 | 農林建設課 土木係 0278-58-2113 |
最初にやることは電話です
この記事でお伝えしたかったことは2つです。
1つ目は、村の文書に「塗装」と書かれていないという事実です。 対象になる可能性は高いと読めますが、断定はできません。だから最初の一歩は、農林建設課(0278-58-2113)への電話です。「外壁塗装は外壁の補修に含まれますか」と聞いてください。あわせて今年度の受付状況と、過去にご自宅で使われていないかも確認できます。
2つ目は、片品村では外壁の腰から下が先に傷むということです。 積雪が1メートルなら、下1メートルは数か月のあいだ雪に埋もれています。押されて、湿って、解けた水に当たり続けます。上の部分とは別の環境です。
まずは、膝から腰の高さの壁を見てください
今日できることがあります。
外へ出て、膝から腰くらいの高さの壁をさわってみてください。 上の部分と比べて、ざらついていないか。粉がついていないか。色が抜けていないか。
そこに差が出ていたら、雪の影響が出ています。目の高さの壁がきれいでも、下は違う状態になっていることがあります。
ただ、その傷みが塗装で止まる段階なのか、下地まで入っているのかは、見ないと分かりません。土台水切りが変形していないか、サイディングの継ぎ目がずれていないか。ここは地上から眺めただけでは判断できません。
とはいえ、業者に連絡するのは気が重いと思います。一度呼んだら断りづらくなるんじゃないか。まだ何も決めていないのに話が進んでしまうんじゃないか。そう身構えてしまうのは、当然のことです。
うちには営業マンが1人もいません。伺うのは、実際に塗る職人です。その場で契約を迫ることはありません。
見たうえで「来年の春で間に合います」とお伝えして帰ることもあります。下部の傷みがどこまで入っているか、水切りが生きているか、上部の塗膜はあと何年もつか。上がって触って、はじめて分かることをお伝えするのが仕事です。
外壁診断もお見積りも無料です。
まずは、家を見せてください。判断は、そのあとで大丈夫です。