【10万円戻る】嬬恋村の外壁塗装に使える助成金を分かりやすく解説!
嬬恋村の外壁塗装に使える助成金|20%・上限10万円の申請手順
「嬬恋村で外壁塗装をするとき、村から助成は出るんだろうか?」
「出るとしたら、どんな条件があるんだろう」
そう思って調べている方に、先にお答えします。
嬬恋村で外壁塗装に使える助成金はあります。
制度名は「嬬恋村住宅改修等助成金」です。助成率は工事費の20パーセント、上限10万円。交付要綱の別表に「外壁の塗装、漆喰塗り又は補修」とはっきり書かれているので、外壁塗装が対象かどうかで迷う必要はありません。
押さえておくべき点が3つあります。
1つ目は、申請期限が毎年12月25日だということ。 要綱で決まっています。
2つ目は、村内の業者による工事であることが条件だということ。
3つ目は、工事に着手する前に申請しなければならないということ。 着工後の申請は受け付けてもらえません。
そしてもう1つ、嬬恋村にはこの土地だけの事情があります。標高が高く、冬は塗装ができません。 申請期限と塗れる時期がずれているので、段取りを間違えると1年先に延びます。
書いているのは、高崎市片岡町を拠点に、吾妻郡もまわって塗装をしているヤマトリフォームの登丸です。2代目の塗装職人です。
嬬恋村で外壁塗装に使える助成金の中身
まず、制度の全体像から押さえます。
助成率20パーセント・上限10万円
嬬恋村住宅改修等助成金は、村民が自宅を改修するときに、その費用の一部を助成する制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成率 | 助成対象工事費の20パーセント以内 |
| 上限 | 10万円(千円未満切捨) |
| 工事費の下限 | 10万円以上 |
| 申請期限 | 毎年12月25日まで |
| 窓口 | 観光商工課 商工係 |
| 電話 | 0279-82-1293 |
根拠は「嬬恋村住宅改修等助成金交付要綱」です。平成23年に定められ、直近では令和7年2月28日に改正されています。
「外壁の塗装」が要綱に明記されています
この制度のいいところは、対象工事に塗装がはっきり書かれている点です。
要綱の別表には、次のような工事が並んでいます。
| 区分 | 対象工事 |
|---|---|
| 修繕 | 屋根の葺き替え、屋根の塗装、外壁の塗装、漆喰塗り又は補修、壁・床・天井の補修 |
| 模様替え | 外壁の張替え及び重ね張り、壁の塗り替え、建具の取替え、間取りの変更 |
| 増改築 | 居室の一部新築、台所・風呂・便所の改善 |
| 新築 | 個人の居住用住宅の新築 |
| 太陽熱利用 | 太陽熱利用温水設備の設置 |
群馬県内の自治体には、「外壁の補修」という書き方で塗装が含まれるかどうか判断がつかない制度もあります。嬬恋村は「塗装」と書いてあります。ここで悩まなくていいのは、申請する側にとって大きな違いです。
なお、備品の購入費は対象外です。備品を買うだけの工事は助成されません。
令和7年度から上限が10万円に変わりました
ここは注意が必要です。
この制度の上限は、以前は20万円でした。令和7年度から10万円に変わっています。 村のページにも「令和7年度より上限額が10万円に変更していますのでご注意ください」と注記されています。
ところが、ネットで「嬬恋村 外壁塗装 補助金」を検索すると、いまだに「上限20万円」と書いているページが出てきます。 村が運営している別のサイトにも、古い金額が残っています。
20万円もらえるつもりで計画を立てると、10万円足りません。金額は10万円です。ここだけは間違えないでください。
いくら戻ってくるのか|工事費別の早見表
次に、実際にいくら戻るのかを計算します。
工事費別の早見表
助成額は工事費の20パーセント以内です。千円未満は切り捨てになります。
| 工事費 | 助成額(20パーセント) |
|---|---|
| 10万円 | 2万円 |
| 20万円 | 4万円 |
| 30万円 | 6万円 |
| 40万円 | 8万円 |
| 50万円 | 10万円(上限) |
| 80万円 | 10万円(上限) |
| 120万円 | 10万円(上限) |
上限の10万円に達するのは、工事費が50万円を超えたときです。
外壁塗装なら、まず上限に届きます
一般的な30坪前後の住宅で、外壁塗装だけを行った場合の工事費は、おおよそ80万円から120万円です。足場を組み、高圧洗浄をして、下塗り・中塗り・上塗りと3回塗る。この工程を踏むと、この金額になります。
つまり、外壁塗装なら工事費がいくらであっても、助成額は10万円ということです。
| 工事の内容 | おおよその工事費 | 助成額 |
|---|---|---|
| 外壁塗装のみ | 80万〜120万円 | 10万円 |
| 屋根塗装のみ | 40万〜70万円 | 8万〜10万円 |
| 外壁+屋根 | 100万〜160万円 | 10万円 |
「外壁と屋根を一緒にやれば助成も倍になる」ということはありません。上限は10万円で頭打ちです。
ただし、外壁と屋根を一緒にやる意味は、助成金とは別のところにあります。これは後ほどお伝えします。
1棟につき累計10万円までです
もう1つ、見落とされやすい決まりがあります。
この助成金は、1棟の住宅について、累計で10万円に達するまで交付されます。
つまり、今年トイレの改修で4万円もらったとすると、残りは6万円です。来年外壁を塗っても、出るのは6万円までです。そして累計10万円に達したら、その住宅ではもう使えません。
外壁塗装で一度に10万円を受け取れば、そこで上限に到達します。水まわりで4万円、翌年に外壁で6万円という使い方でも、合計10万円で到達です。
一生のうち一度、10万円ぶんの枠がある、と考えておくのが分かりやすいと思います。
小さな工事で枠を削るより、金額の大きい工事で一度に使い切ったほうが得です。外壁塗装は確実に上限に届く工事なので、この枠を使う先としては適しています。
あなたは対象になるか|4つの条件
ここからは、ご自身が対象になるかの確認です。
申請できる方の条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 住民登録 | 嬬恋村に継続して1年以上住民登録をしている |
| 延滞 | 本人および同一世帯に税金や料金などの延滞がない |
| 居住 | その住宅に現に居住している、または居住する見込みがある |
| 他制度 | 村の他の補助金・助成金を受けていない |
「継続して1年以上の住民登録」という条件は、嬬恋村に転入したばかりの方には使えないという意味です。移住して半年という方は、来年まで待つことになります。
延滞の条件は、同一世帯が対象です。ご自身に滞納がなくても、同居のご家族に未納があると通りません。心配な方は、申請の前に役場で確認しておいてください。
別荘は対象になりません
嬬恋村は、万座や田代、浅間高原など別荘の多い地域です。
ただ、この助成金は「1年以上の住民登録」と「現に居住している」ことが条件です。住民票を置いていない別荘は対象になりません。
別荘の外壁塗装を考えている方にとっては残念な話ですが、ここは制度の性格上、動かしようがないところです。
村の他の補助金と重複はできません
要綱では、村の他の補助金や助成金を受けている場合は対象外とされています。
同じ年に別の村の制度を使う予定がある方は、どちらを使うか選ぶことになります。迷ったら観光商工課(0279-82-1293)に電話で聞いてください。どちらが有利かはその場で教えてもらえます。
施工業者の条件|村内業者であること
この制度でいちばん先に確認すべきなのが、業者の条件です。
要綱での定義
交付要綱では、施工業者が次のように定義されています。
「村内に住所を有する個人事業主又は村内に本社及び事業所等を有する法人」
つまり、嬬恋村内に住所がある個人の工務店・塗装店か、村内に本社と事業所を持つ会社です。
村外の業者だと一円も出ません
ここは例外がありません。
群馬県内には、中之条町のように「村外・町外の業者でも助成率を下げて出す」という制度もあります。嬬恋村はそうではありません。村内業者でなければ、助成額はゼロです。
村内の業者なら工事費の20パーセント・上限10万円。村外の業者なら、助成額はありません。中間はありません。
確認は契約前にしてください
「村内の業者だと思っていたら、隣の町に本社があった」という行き違いは実際に起こります。
嬬恋村は吾妻郡のなかでも広い村で、長野原町や草津町と生活圏が重なっています。業者の看板に「吾妻」と入っていても、本社が嬬恋村内とは限りません。
契約する前に、会社の所在地を確認してください。 名刺や見積書に書かれている住所が嬬恋村内かどうか。個人事業主なら、ご本人の住所が村内かどうか。判断がつかない場合は、業者名を伝えて観光商工課に聞けば確認してもらえます。
申請期限は12月25日です
この制度には、はっきりした締め切りがあります。
要綱に定められた期限
交付要綱には「毎年12月25日までに村長に申請しなければならない」とあります。
年度末の3月ではありません。12月25日です。これを過ぎると、その年度の申請はできません。
着工前の申請が絶対条件です
村のページには「工事着工後の申請はお受けできませんので、必ず着工前の申請をお願いします」と書かれています。
これは取り返しのつかない部分です。業者に「今から始められますよ」と言われても、申請が済んで交付の手続きが進むまでは着工しないでください。
一度着工してしまうと、あとから申請しても出ません。工事代金を一円も助成されないまま払うことになります。
ここは、業者の都合ではなく、ご自身の判断で止めてください。
年度の受付状況は電話で確認してください
1つ、お伝えしておかなければならないことがあります。
村の公式ページには、年度の表記・受付期間・予算額の記載がありません。 交付要綱は令和7年2月に改正されているので制度自体は続いていますが、今年度の受付が開いているかどうかは、ページを見ても分かりません。
ですから、最初にやることは電話です。
観光商工課 商工係 0279-82-1293
聞くことは3つです。
- 今年度の住宅改修等助成金の受付は開いていますか
- 予算の残りはありますか
- 工事はいつまでに完了させる必要がありますか
3つ目は特に大事です。申請期限が12月25日であることは要綱で分かりますが、工事の完了をいつまでに済ませる必要があるかは書かれていません。年度内(3月末)なのか、別の期限があるのか。ここは嬬恋村の気候と直結するので、必ず確認してください。理由は次の章でお伝えします。
申請から助成金交付までの流れ
手続きの流れを、順番に見ていきます。
様式の入手
申請書類の様式は、村のホームページからダウンロードできます。
「嬬恋村住宅改修等助成金交付様式」という名前で、PDF版とWord版の両方が置かれています。パソコンで入力したい方はWord版、手書きしたい方はPDF版を印刷してください。
交付要綱もPDFで公開されています。対象工事の別表が載っているので、ご自分の工事が当てはまるか確認したい方は、こちらも見ておくと安心です。
様式は第1号から第6号まであります。申請の段階で使うのは最初の数枚で、残りは工事完了後に使うものです。どれを今出すのかは、窓口で聞けば教えてもらえます。
申請から着工まで
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1 | 観光商工課に電話して受付状況を確認する |
| 2 | 村内の業者に家を見てもらい、見積書をもらう |
| 3 | 様式をダウンロードして記入し、見積書を添えて提出 |
| 4 | 村の審査 |
| 5 | 交付決定の通知を受ける |
| 6 | ここから着工 |
窓口は観光商工課の商工係です。建設関係の課ではありません。間違えると1日無駄になります。
見積書に入れてもらうこと
申請には見積書が必要です。このとき、業者に次の点を明細で書いてもらってください。
| 項目 | 理由 |
|---|---|
| 工事の箇所(外壁・屋根を分けて) | どの工事が助成対象か村が判断するため |
| 塗装面積 | 工事の規模を示すため |
| 足場代を別項目に | 対象工事費の範囲を明確にするため |
| 塗料の商品名と使用量 | 工事内容の確認と、相見積もりの比較のため |
| 住宅本体と外構を分ける | 外構(塀・門・カーポート)は住宅の改修ではないため |
「外壁塗装工事 一式 90万円」としか書いていない見積書は、助成の対象工事費がどこまでなのか村が判断できません。業者に「助成金の申請に使うので明細を分けてください」と伝えれば、嫌がる業者はいません。
嬬恋村で塗れる期間は限られています
ここからが、嬬恋村で外壁塗装をするうえでいちばん大事な話です。
気温5度以下では塗れません
塗料には、メーカーが定めた施工条件があります。
気温5度以下、または湿度85パーセント以上では塗装してはいけないというのが共通の規定です。
この条件で塗ると、塗料が正しく乾きません。乾いたように見えても、塗膜の内部で硬化が終わっていない状態になります。結果として、数年で剥がれます。
塗れるのは、気温5度以上で湿度85パーセント未満のときだけです。気温が5度を下回る、湿度が85パーセントを超える、雨や雪が降っている。このどれかに当たれば、その日は塗れません。
これは業者の都合ではなく、塗料メーカーが決めていることです。守らない業者は、数年後に自分で塗り直すことになります。
実質的な施工期間は5月から10月です
嬬恋村の中心部は標高800メートルから900メートル、高原地帯は1000メートルを超えます。
真冬の朝はマイナス10度を下回ります。11月から3月は、日中でも5度に届かない日が続きます。
| 時期 | 塗装の可否 |
|---|---|
| 11月〜3月 | ほぼ不可(気温が上がらない) |
| 4月 | 日によって可(朝晩は厳しい) |
| 5月〜10月 | 可 |
つまり、嬬恋村で外壁を塗れるのは、実質的に5月から10月の半年間です。平地なら11月でも塗れますが、嬬恋村では無理です。
12月25日の期限と、塗れる時期のずれ
ここで問題が起きます。
申請期限は12月25日です。ところが、12月に申請しても、その時期は塗れません。春まで待つことになります。
| 申請の時期 | 工事ができる時期 |
|---|---|
| 5月に申請 | その年の6月〜10月 |
| 9月に申請 | その年の10月まで(間に合えば) |
| 12月に申請 | 翌年の5月以降 |
だから、工事の完了期限を確認することが大事なのです。もし「年度内(3月末)に完了すること」が条件なら、12月に申請しても工事ができないまま期限が来ます。
逆に、翌年度にまたいで工事ができるなら、冬のうちに申請を済ませて春に塗る、という段取りが組めます。
この一点で計画がまるごと変わります。観光商工課に電話するとき、必ず一緒に聞いてください。
現実的な進め方は、春から夏に申請して、その年の秋までに塗り終えることです。 これなら期限の解釈に関係なく確実です。
キャベツの収穫期と工期の重なり
嬬恋村でもう1つ考えなければならないのが、農作業との兼ね合いです。
塗装できる時期と、畑が忙しい時期が重なります
嬬恋村はキャベツの産地です。村内の多くのお宅が、農業と関わって暮らしています。
キャベツの作業は、春の植え付けから秋の収穫まで続きます。出荷の最盛期は夏です。
| 時期 | 畑の作業 | 塗装 |
|---|---|---|
| 4月〜6月 | 植え付け | 可(4月は日による) |
| 7月〜9月 | 収穫・出荷の最盛期 | 可 |
| 10月 | 収穫の終盤・片付け | 可 |
| 11月〜3月 | 農閑期 | 不可 |
見ていただくと分かるように、塗装ができる時期と、畑が忙しい時期が、ほぼそのまま重なっています。 農閑期は塗れない。塗れる時期は忙しい。
これは嬬恋村特有の難しさです。平地の農家なら、冬に塗ることができます。嬬恋村ではできません。
工期の組み方
外壁塗装の工期は、30坪前後の住宅で10日から2週間です。雨が降れば延びます。
このあいだ、家のまわりに足場が組まれ、職人が出入りします。窓は養生のビニールで覆われるので、開けられない日があります。
| 工程 | 日数 | お住まいへの影響 |
|---|---|---|
| 足場設置 | 1日 | 音が出る |
| 高圧洗浄 | 1日 | 窓を閉めておく |
| 乾燥 | 1〜2日 | 特になし |
| 下地処理・養生 | 1〜2日 | 窓が開けられなくなる |
| 下塗り・中塗り・上塗り | 4〜6日 | 窓が開けられない |
| 点検・足場解体 | 1〜2日 | 音が出る |
農作業で朝早く出て夕方帰る生活なら、日中の立ち会いは必要ありません。打ち合わせと最後の確認だけ、時間を合わせてもらえれば進みます。
ただ、出荷の最盛期に重ねるのは避けたほうがいいと思います。トラックの出入りと足場が干渉します。
春の初めか、秋の終わりか
現実的に選びやすいのは、この2つです。
5月から6月上旬は、植え付けが落ち着いて出荷が始まる前の時期です。ただし朝晩の気温を見ながら進める必要があります。9月下旬から10月は収穫の終盤で、だんだん落ち着いてくる時期です。ただし11月に入ると気温が足りません。
秋を狙う場合、10月中に塗り終える段取りが必要です。10月下旬に着工すると、途中で気温が足りなくなって中断します。中断した塗装は、下塗りだけの状態で冬を越すことになり、やり直しになることもあります。
秋にやるなら、8月のうちに業者と日程を決めておいてください。
標高が高い土地の外壁は何で傷むのか
嬬恋村の家が、どういう傷み方をするかの話です。
凍害が最大の敵です
標高の高い土地で外壁を傷めるいちばんの原因は、凍害です。
仕組みは単純です。
- 外壁の細かいひび割れや塗膜の傷んだ部分に、雨や雪の水が染み込む
- 夜になって気温が下がり、その水が凍る
- 水は凍ると体積が約9パーセント増えるので、内側から壁を押し広げる
- 昼になって融ける
- これが毎日繰り返される
嬬恋村では、冬のあいだこれが何十回も起こります。やがて塗膜が浮き、モルタルの表面がぽろぽろと剥がれ落ちます。
| 凍害のサイン | 状態 |
|---|---|
| 塗膜のふくれ | 内部に水が入っている |
| 表面がぽろぽろ剥がれる | モルタルの表層が破壊されている |
| 小さな穴があく | 内部で凍結が繰り返されている |
| 北面だけ傷みが激しい | 日が当たらず融けきらない |
凍害でいちばん傷むのは北面です。日が当たらないので、昼になっても融けきりません。凍ったまま次の夜を迎え、さらに凍結が深いところまで進みます。
平地の家は南面と西面が先に傷みます。嬬恋村は逆で、北面から傷みます。ここが根本的に違うところです。
紫外線は平地より強いです
標高が上がると、空気の層が薄くなります。そのぶん紫外線が強くなります。
標高1000メートルでは、平地より1割前後強い紫外線が当たると言われています。嬬恋村の高原地帯はこの範囲です。
夏は涼しいので、傷まないような気がします。実際は逆です。気温が低くても紫外線は強いので、塗膜の表面は平地と同じか、それより早く劣化します。
「涼しいから塗り替えは先でいい」という判断は、嬬恋村では当てはまりません。
温泉と火山灰の影響
嬬恋村には万座温泉をはじめ、硫黄成分の濃い温泉があります。
温泉地の近くでは、空気中の硫化水素が金属を腐食させます。影響を受けるのは、次のような部分です。
| 部位 | 起こること |
|---|---|
| トタン屋根 | 錆が早く進む |
| 雨樋の金具 | 腐食して外れる |
| 雨戸・戸袋 | 表面が黒ずみ、錆が出る |
| 手すり・階段の鉄部 | 塗膜の下から錆が広がる |
温泉地に近いお宅では、鉄部の錆止めをきちんとやるかどうかで、次の塗り替えまでの年数が変わります。 錆を落とさないまま上から塗っても、下から錆が進んで数年で浮きます。
もう1つ、浅間山の火山灰です。降灰があった年は、外壁に細かい粒子が付きます。これが雨で流れずに残ると、汚れが固着します。高圧洗浄で落とせますが、落とさないまま塗ると密着が悪くなります。
塗料の選び方|嬬恋で効くのは何か
ここまでの話をふまえて、塗料の選び方をお伝えします。
凍害に効くのは、水を入れないことです
凍害は、水が入らなければ起きません。だから対策は、水の侵入を止めることです。
そのために大事なのは2つです。
1つは、ひび割れをきちんと埋めてから塗ること。 ひび割れの上から塗料を乗せても、数年で同じ場所が開きます。幅のあるひび割れは、Vカットやシーリングで処理してから塗る必要があります。ここを省く業者がいます。見積書に下地処理の項目があるか確認してください。
もう1つは、シーリングの打ち替えです。 サッシのまわり、外壁の継ぎ目にあるゴム状の部分です。ここが切れていると、どんな塗料を塗っても水が入ります。嬬恋村のような寒冷地では、シーリングの硬化と切れが平地より早く進みます。
凍害のある土地では、ひび割れのVカットと補修、高圧洗浄は必ず必要です。シーリングが切れていれば打ち替え、鉄部に錆があればケレンと錆止め。この4つが見積書に入っているか見てください。
塗料のグレードより、下地処理のほうが効きます。 高い塗料を薄い下地処理の上に乗せても、意味がありません。
弾性塗料は慎重に選んでください
「寒冷地には伸びる塗料がいい」と聞いたことがある方もいると思います。
弾性塗料は、ひび割れに追従して伸びる性質があります。これは利点です。ただし、モルタル壁で日当たりの強い面に使うと、膨れることがあります。 壁の内部の湿気が温められて膨張し、塗膜が浮く現象です。
嬬恋村のように昼夜の温度差が大きい土地では、この膨れが起きやすい条件が揃います。
弾性塗料を使うかどうかは、壁の材質と向きを見て決める話です。「寒冷地だから弾性」と単純に決める業者がいたら、理由を聞いてみてください。
外壁と屋根をまとめると足場代が1回で済みます
これは助成金とは関係ありませんが、金額に大きく効く話です。
外壁塗装の見積書には、必ず足場代が入っています。金額は15万円から25万円です。
この足場代は、外壁のときと屋根のときで別々に請求されます。外壁を塗った3年後に屋根を塗ると、もう一度払うことになります。
まとめてやれば1回分、別々にやれば2回分。つまり15万円から25万円の差です。助成金の10万円より大きい金額です。
嬬恋村の場合、塗れる期間が5月から10月に限られています。「今年は外壁、来年は屋根」と分けると、足場代を2回払ううえに、工事が2年にまたがります。屋根の状態が許すなら、一度にやってしまうほうが合理的です。
塗料は「あと何年住むか」で決めてください
塗料にはグレードがあり、耐用年数が違います。
| 塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 30坪の目安 |
|---|---|---|
| ウレタン | 8〜10年 | 60万〜80万円 |
| シリコン | 10〜15年 | 70万〜100万円 |
| ラジカル制御型 | 12〜16年 | 80万〜110万円 |
| フッ素 | 15〜20年 | 100万〜140万円 |
ただし、これは平地の目安です。凍害と強い紫外線がある嬬恋村では、この年数より短くなるのが普通です。
判断の基準は、あと何年その家に住むかです。
20年以上住む予定なら、耐用年数の長い塗料を1回塗るほうが、安い塗料を2回塗るより総額は安く済みます。足場代が1回分で済むからです。逆に10年後に住み替えを考えているなら、高い塗料を選ぶ意味は薄くなります。
この話は、業者から持ち出されることが少ないところです。聞いてみてください。
よくあるご質問
助成金はいつもらえますか
工事が終わって完了の書類を出し、村の確認を経てから交付されます。工事代金を支払う時点では、まだ手元に入りません。
つまり、見積書の金額はいったん全額ご自分で用意する必要があります。「10万円引いてもらえるから手持ちはこれだけで足りる」という計算は成り立ちません。資金の段取りはここを前提に考えてください。
村外の業者に頼むと本当に出ないのですか
出ません。要綱で「村内に住所を有する個人事業主又は村内に本社及び事業所等を有する法人」と定義されています。村外の業者による工事は、助成の対象外です。
助成金を使う場合は、村内の業者から選ぶことになります。
別荘の外壁塗装には使えませんか
使えません。1年以上の住民登録と、その住宅に現に居住していることが条件です。
別荘の塗り替えを考えている方は、助成金とは別に、総額を下げる方法を考えることになります。足場代をまとめる、相見積もりを取る、塗料を住み方に合わせて選ぶ。この3つは制度に関係なく効きます。
相見積もりは何社取ればいいですか
2社から3社です。
1社だけだと、その金額が高いのか安いのか判断できません。5社以上になると比べる作業そのものが負担になり、どれも同じように見えてきます。
比べるときは、同じ条件で見積もってもらうことが大事です。「外壁だけ」か「外壁と屋根」か、下地処理をどこまでやるか。この前提を揃えないと、金額を並べる意味がなくなります。
まとめ
制度の内容をおさらい
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 嬬恋村住宅改修等助成金 |
| 助成率 | 工事費の20パーセント以内 |
| 上限 | 10万円(令和7年度から20万円→10万円に変更) |
| 工事費の下限 | 10万円以上 |
| 外壁塗装 | 対象(要綱の別表に「外壁の塗装」と明記) |
| 累計 | 1棟につき10万円に達するまで |
| 施工業者 | 村内の個人事業主または村内に本社・事業所がある法人 |
| 申請期限 | 毎年12月25日 |
| 着工 | 交付の手続き前に着工すると対象外 |
| 窓口 | 観光商工課 商工係 0279-82-1293 |
申請までの3つのステップ
1つ目は、電話です。 観光商工課(0279-82-1293)に、今年度の受付が開いているか、予算の残りがあるか、工事の完了期限はいつかを聞いてください。3つ目が、嬬恋村では特に大事です。
2つ目は、見積書です。 村内の業者に家を見てもらい、明細の入った見積書をもらってください。外壁と屋根を分けて、下地処理を別項目にしてもらうこと。
3つ目は、提出です。 村のページから様式をダウンロードして記入し、見積書を添えて観光商工課へ。交付決定の通知を受けるまでは着工しないでください。
動き出す時期を間違えないでください
嬬恋村で外壁を塗れるのは、実質的に5月から10月です。申請期限の12月25日に合わせて動くと、塗れない時期に申請することになります。
秋に塗るなら、8月のうちに業者と日程を決めてください。春に塗るなら、冬のうちに見積書を用意してください。 これが嬬恋村での現実的な段取りです。
とはいえ、業者に連絡するのは気が重いと思います。一度呼んだら断りづらくなるんじゃないか。まだ何も決めていないのに話が進んでしまうんじゃないか。そう身構えてしまうのは、当然のことです。
うちには営業マンが一人もいません。伺うのは、実際に塗る職人です。その場で契約を迫ることはありません。
診断して、「まだ塗らなくて大丈夫ですよ」とお伝えして帰ることもあります。北面の凍害がどこまで進んでいるか、シーリングが切れているか、鉄部の錆が塗装で止まる段階か。見てみないと分からないことを、見て、お伝えするのが仕事です。
外壁診断もお見積りも無料です。
まずは、家を見せてください。判断は、そのあとで大丈夫です。