【最新版】群馬県の上野村で活用できる外壁塗装補助金はあるの?
「上野村で外壁塗装をするのに、村の補助金はあるのかな?」
「村の制度を調べても、塗装のことがどこにも書いていない」
そう思って調べている方に、先にお答えします。
上野村には、外壁の塗り替えに使える村の補助金がありません。
村のホームページを全ページ確認しました。「リフォーム」「空き家」「塗装」という語を持つページが1つも存在しません。見落としではなく、制度そのものがないのです。
ただ、ここで終わりにしません。2つお伝えしたいことがあります。
1つ目は、借入の利息を全額助成する制度があること。 補助金ではありませんが、使えれば実質無利子で工事ができます。上限まで借りれば、助成される利息は30万円前後になります。これは近隣の町村の補助金の上限と同じ水準です。
2つ目は、上野村には板張りの外壁の家があること。 村域の95パーセント以上が森林で、村産材を使った家が建っています。木の外壁は、モルタルやサイディングとまったく別の塗り方をします。 塗料の種類も、塗り替えの間隔も違います。ここを知らない業者に頼むと、数年後に厄介なことになります。
書いているのは、高崎市片岡町を拠点に、西上州もまわって塗装をしているヤマトリフォームの登丸です。2代目の塗装職人です。
上野村に外壁塗装の補助金はありません
村のサイトをどう調べたかから、お伝えします。
村のサイトを全ページ確認しました
上野村の公式サイト(uenomura.jp)のサイトマップから、全ページを順に確認しました。
「リフォーム」「空き家」「塗装」「太陽光」。そして一般向けの「バリアフリー」。この5つの語を含むページが、どこにもありません。
住宅リフォーム補助金、空き家改修補助金に相当する制度が、そもそも作られていません。
近隣の下仁田町には空き家の改修に使える制度(2分の1・上限100万円)がありますが、上野村にはこれに当たるものがありません。
村の住宅関連制度を全部並べました
上野村にある住宅関連の制度は、次のとおりです。
| 制度名 | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| 住宅資金借入金利子の助成 | 借入利息を全額助成(最長10年) | 振興課 |
| 住宅取得応援金 | 不動産取得税・固定資産税相当額を助成 | 振興課 |
| 住宅地用区画の賃貸 | 乙父地区の定住促進用地 | 振興課 |
| 生活補給金 | 世帯月5万円・単身月3万円を3年間 | 振興課 |
| 高齢者住宅改造費助成 | 改修費の6分の5・上限50万円 | 保健福祉課 |
| 重度心身障害者住宅改造補修費補助 | 改修費の6分の5・上限50万円 | 保健福祉課 |
| 木造住宅耐震診断者派遣事業 | 診断士の派遣(診断費は無料) | 振興課 |
| 脱炭素の4制度 | LED・薪ストーブ・省エネ機器・電気自動車 | 振興課 |
| 村営住宅 | 賃貸 | — |
このなかに、塗装を対象にしている制度はありません。 それぞれ理由が違うので、順番に見ていきます。
窓口は2つに分かれています
定住対策・耐震・脱炭素は振興課(0274-59-2111)、高齢者と障害者の住宅改造は**保健福祉課 いきいきセンター(0274-59-2309)**です。
役場の代表番号にかけると振興課につながります。住宅改造の相談はいきいきセンターです。間違えると取り次ぎになるので、先に確認してください。
住宅支援の4制度には45歳以下の条件が
ここは早めにお伝えしておきます。
「後継者」の定義
上野村の住宅支援は、すべて「後継者定住対策」という枠組みのなかにあります。そして「後継者」は、村のページでこう定義されています。
「上野村に定住する意志のある結婚中の45歳以下の方をいいます。」
この一文に、3つの条件が入っています。定住の意志があること(10年以上、住民基本台帳に登録され生活の本拠が村にあること)。結婚中であること。 そして45歳以下であること。
独身の方、46歳以上の方は対象外です
ここは正直にお伝えします。
独身の方は、住宅支援4制度のすべてで対象外です。 そして46歳以上の方も対象外です。
群馬県内の住宅リフォーム補助金には、こんな条件はほとんどありません。中之条町も嬬恋村もみなかみ町も、年齢や婚姻を問いません。上野村は、定住促進という政策目的が前面に出ているぶん、入口が狭くなっています。
4制度すべてに共通します
利息の助成、住宅取得応援金、住宅地の賃貸、生活補給金。この4つはすべて後継者定住対策の制度なので、同じ条件がかかります。
だから、ご自身が条件に当てはまるかどうかをいちばん最初に確認してください。 ここが外れていると、あとの話が全部無駄になります。
振興課(0274-59-2111)に「後継者の条件に当てはまるか」を聞けば、その場で分かります。
借入の利息が全額助成される制度があります
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
住宅資金借入金利子の助成
後継者の条件に当てはまる方には、この制度があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成の内容 | 借入金の利息を全額助成 |
| 期間 | 最長10年 |
| 対象借入額(新築) | 500万円以内 |
| 対象借入額(増改築) | 300万円以内 |
| 申請の時期 | 借入をする1か月前まで |
| 窓口 | 振興課 0274-59-2111 |
「利子補給」という制度は他の自治体にもありますが、多くは利息の2分の1や3分の1です。神流町は利子の2分の1(年3パーセント上限)です。
上野村は全額です。 ここが違います。
利息が全額ということは、いくら得になるのか
計算してみます。借入金を10年で返す場合、利息はこのくらいです。
| 借入額 | 年1.5パーセント | 年2.0パーセント | 年2.5パーセント |
|---|---|---|---|
| 100万円 | 約7万8000円 | 約10万4000円 | 約13万1000円 |
| 200万円 | 約15万6000円 | 約20万8000円 | 約26万2000円 |
| 300万円 | 約23万4000円 | 約31万2000円 | 約39万3000円 |
外壁塗装の工事費は、30坪前後の住宅でおおよそ80万円から120万円です。これを100万円借りてやるなら、助成される利息は10万円前後になります。
上限の300万円まで借りれば、年2パーセントの金利で約31万円です。
比べてみてください。
| 自治体 | 制度 | 受け取れる額 |
|---|---|---|
| 中之条町 | 住宅リフォーム補助金 | 上限30万円 |
| みなかみ町 | 住宅等新築改修等補助金 | 上限20万円 |
| 嬬恋村 | 住宅改修等助成金 | 上限10万円 |
| 上野村 | 利子の助成(300万円・年2%・10年) | 約31万円相当 |
補助金という名前ではありませんが、手元から出ていくお金が減るという点では同じです。 しかも上野村のほうが大きくなる可能性があります。
塗装が「増改築」に入るかは村の判断です
ここで正直にお伝えしなければならないことがあります。
村のページに書かれている対象工事は、**「住宅を新築、増改築する場合」**です。「修繕」「塗装」「外壁」という語がありません。
外壁塗装は、建築の用語では「修繕」にあたります。建物の形や面積を変えないので、厳密には「増改築」とは別のものです。
だから、塗装の工事費を借りた場合にこの制度が使えるかは、村の判断になります。交付要綱の原文が公開されていないので、ここは断定できません。
だから、借入の前に電話してください
この制度でいちばん大事なのは、タイミングです。
申請は、借入をする1か月前までです。 借りてしまってから申請しても間に合いません。
だから順番はこうなります。まず振興課(0274-59-2111)に電話して、後継者の条件に当てはまるかを確認する。あわせて「外壁塗装の費用は増改築に含まれますか」と聞く。対象になるなら見積書を取り、借入の1か月以上前に申請を出す。そのうえで借入、着工という流れです。
電話が先です。 見積書を取ってから、借入を申し込んでから相談すると、間に合いません。
聞くことは2つだけです。数分で終わります。
バリアフリー改修なら6分の5・上限50万円
塗装には使えませんが、知っておく価値のある制度です。
高齢者住宅改造費助成
補助率は改修費の6分の5、上限50万円。対象工事は浴室、トイレ等のバリアフリー化工事です。
条件は、村に10年以上居住していること。そして世帯全員が60歳以上かつ前年度所得税非課税、または要介護2で生計中心者の前年度所得税が8万円以下であること。申請は必ず工事前です。窓口は保健福祉課 いきいきセンター(0274-59-2309)です。
補助率6分の5というのは、60万円の工事で50万円が出るという意味です。群馬県内でも最高水準です。
重度心身障害者住宅改造補修費補助
こちらも補助率6分の5、上限50万円です。対象工事は浴室・便所・玄関・台所等の住宅設備を障害に適するよう改造するもの。条件は下肢または体幹1級・2級、視覚1級で、前年度所得税が12万円以下であること。新築・増築・借家は対象外で、相談は8月末までとされています。窓口は同じいきいきセンターです。
塗装と同時にやる場合の見積書
どちらの制度も、外壁塗装は対象外です。対象工事が浴室・トイレ・玄関・台所に限定されています。
ただ、バリアフリー改修と外壁塗装を同じ時期にやることはあります。その場合、見積書の作り方が大事になります。
バリアフリー改修の分と外壁塗装の分は、別々の見積書にしてもらってください。補助の対象になる経費がはっきりし、対象外の費用が混ざりません。足場代をどちらに入れるかも、先に決めておきます。
1枚の見積書に全部まとめると、村が補助対象経費を判断できません。別々の見積書にしてもらってください。 業者に「補助金の申請に使うので分けてください」と伝えれば対応してくれます。
なお、どちらの制度も工事前の申請が必須です。障害者向けのほうは8月末までの相談と明記されているので、年度の途中で動く場合は早めに連絡してください。
耐震診断は無料ですが、その先がありません
ここは構造を正確にお伝えします。
診断費は村と国が負担します
上野村には木造住宅耐震診断者派遣事業があります。要綱の第9条にこうあります。
「耐震診断に要する費用は、上野村及び国が負担するものとする。」
つまり、耐震診断は無料で受けられます。 診断士が来て、家の耐震性を調べてくれます。
耐震改修工事への補助規定がありません
ところが、要綱を最後まで読んでも、その後の改修工事に対する補助の規定が1つもありません。
| 段階 | 上野村 | 沼田市 | みどり市 |
|---|---|---|---|
| 耐震診断 | 無料 | 無料(先着2名) | あり |
| 耐震改修工事の補助 | なし | 5分の4・上限100万円 | 5分の4・上限100万円 |
沼田市やみどり市では、診断のあとに改修工事の補助があります。上野村にはありません。
要綱に「塗装」「外壁」「屋根」という語も1つも出てきません。別表もありません。
診断を受ける意味はどこにあるか
補助が出ないなら診断を受ける意味がない、ということではありません。
診断を受けると、家の耐震性能の評点が出ます。どこが構造的に弱いか、どこが傷んでいるか。床下や小屋裏など、外からは見えない部分の状態も分かります。
無料なので、受けておく価値はあります。特に、外壁塗装をやろうとしている方には意味があります。
診断で「柱の根元が腐っている」と分かれば、塗装より先にそこを直す話になります。塗ってから数年後に構造の補修をすると、足場代を2回払うことになります。
順番としては、診断を受けてから塗装の計画を立てるほうが合理的です。振興課(0274-59-2111)で申し込めます。
脱炭素の4制度に塗装は入りません
上野村は脱炭素先行地域に選ばれていて、関連の制度が4つあります。
4制度の中身
| 制度名 | 対象 |
|---|---|
| 上野村住宅LED照明導入支援事業 | 調光制御式のLED照明器具・ランプ |
| 上野村薪ストーブ導入支援事業 | 薪ストーブ本体、附属部品、煙突部品 |
| 上野村省エネ導入支援事業 | 本体価格が税込2万円以上の省エネ機器 |
| 上野村電気自動車導入支援事業 | 電気自動車の購入 |
受付期間は令和5年4月3日から令和11年3月31日までです。令和8年度も受付中です。
「省エネ機器」は機器限定です
3つ目の省エネ導入支援事業に期待される方がいると思います。「省エネ」なら遮熱塗料が入るのではないか、と。
入りません。 制度の対象は「省エネ機器本体価格が税込み2万円以上の機器」です。機器の購入費が対象で、塗装のような工事は含まれません。
エアコンを省エネ型に替える、給湯器を高効率型に替える。こういう工事なら対象になる可能性があります。一方、遮熱塗料で外壁を塗る、外壁に断熱材を入れる。こちらはどちらも対象外です。
遮熱塗料に意味がないわけではありません。2階が夏に暑くてたまらないというお宅では、体感で効果が出ます。ただ、この制度では拾えません。
ペレットストーブの貸付事業
上野村には木質ペレットの工場があります。それに関連して、ペレットストーブの貸付事業もあります。
設置に要する経費(本体費、部材費、設置工事費の合計)の5分の1以内の金額を貸出料として、ストーブを貸し出す仕組みです。補助金ではなく貸付なので、外壁塗装とは関係ありません。
ただ、村が木質バイオマスに力を入れている村だという点は、あとの章で関係してきます。 板張りの外壁の話につながります。
検索で出る「上野」は山梨県かもしれません
ここは注意が必要な点です。
上限143万7500円は山梨県上野原市です
「上野 住宅 補助金」で検索すると、こんな制度が出てきます。
「木造住宅居住安心支援事業費補助金」「上限143万7500円」。この組み合わせで出てくるページは、すべて山梨県上野原市の制度です。
群馬県の上野村ではありません。山梨県の上野原市です。
「上野」という3文字が共通しているので、検索エンジンが混同します。しかも上野原市は人口2万人台の市で、ウェブ上の情報量が上野村より多いため、上位に出てきます。
自治体コードで見分けられます
いちばん確実な見分け方があります。
| 項目 | 群馬県多野郡上野村 | 山梨県上野原市 |
|---|---|---|
| 自治体コード | 10366 | 19212 |
| 都道府県番号 | 10(群馬県) | 19(山梨県) |
| 村か市か | 村 | 市 |
| 役場・役所の代表 | 0274-59-2111 | (0554)市外局番が違います |
補助金のまとめサイトは、この自治体コードでページのURLを作っています。URLに19212が入っていたら山梨県です。上野村は10366です。
「1,111件」と書いているサイト
もう1つ注意点があります。
補助金のまとめサイトで「群馬県上野村で使える制度一覧 1,111件」と表示しているページがあります。
中身を見ると、実際に並んでいるのは45件で、しかもその内容は酒類業振興支援事業費補助金、事業承継・M&A補助金、港湾における脱炭素化促進事業、空港におけるEV導入事業などです。
すべて国の全国対応の事業者向け制度です。 上野村独自の制度は0件で、住宅・塗装の制度も載っていません。村が実際に持っている後継者定住対策や薪ストーブの制度は、1つも拾えていません。
件数の数字は、検索で上位に出すための見せ方です。読む側には意味がありません。
迷ったら村に電話してください
振興課 0274-59-2111
「住宅の外壁を塗り替えるのに使える村の制度はありますか」と聞いてください。すぐに答えが返ってきます。
板張りの外壁は塗り替え方が違います
ここから本題です。上野村で外壁塗装を考えるときに、いちばん大事な話をします。
村産材の家がある村です
上野村は、村域の95パーセント以上が森林です。村が製材と木材加工に取り組んでいて、木質ペレットの工場もあります。
そういう村なので、村産材を使った家、板張りの外壁の家があります。杉板の下見板張り、押縁を打った板壁。こういう外壁のお宅を、村内では実際に見かけます。
木の外壁は、モルタルやサイディングとまったく別の塗り方をします。 ここを知らない業者に頼むと、数年後に厄介なことになります。
木に塗る塗料は2種類あります
木部用の塗料は、大きく2つに分かれます。性質が正反対です。
| 浸透型(含浸型) | 造膜型 | |
|---|---|---|
| 仕組み | 木に染み込んで内部から保護 | 表面に膜を作って覆う |
| 見た目 | 木目が残る | 木目が隠れる |
| 耐用年数 | 3年から5年 | 5年から10年 |
| 剥がれるか | 剥がれない | 剥がれる |
| 塗り替えの手間 | 洗って塗るだけ | 古い塗膜を全部落とす |
| 木の呼吸 | 通す | 通さない |
浸透型は3年から5年で塗り替えます
浸透型は、木の内部に染み込んで防腐・防虫の成分を効かせる塗料です。
いちばんの利点は、剥がれないことです。膜を作っていないので、傷んできても粉を吹くだけで、剥離しません。だから塗り替えが楽です。洗って、乾かして、上から塗るだけで済みます。
欠点は、もちが短いことです。3年から5年、条件が良くて7年。日当たりの強い面は3年で色が抜けます。
「こまめに塗る」ことが前提の塗料です。
造膜型は長持ちしますが、剥がれると面倒です
造膜型は、木の表面に塗膜を作る塗料です。ウレタンやアクリルシリコンなどが使われます。
利点はもちが長いことです。5年から10年。色の自由度も高く、好きな色に塗れます。
欠点は、剥がれることです。木は湿気を吸って膨らみ、乾いて縮みます。この動きに塗膜が追いつかないと、浮いて剥がれます。そして剥がれた隙間から水が入ると、木の内部で腐りが進みます。 外から見えないまま進行します。
塗り替えのときも大変です。剥がれかけた塗膜を全部落とさないと、新しい塗料が密着しません。この作業に手間がかかります。
最初の選択が、あとを縛ります
ここがいちばん大事な点です。
一度造膜型を塗った木に、浸透型は効きません。 膜が邪魔をして、染み込まないからです。
無塗装か浸透型が塗られている家なら、次はどちらも選べます。すでに造膜型が塗られている家は、実質、造膜型を続けるしかありません。
つまり、最初に造膜型を選ぶと、その家はずっと造膜型になります。 浸透型に戻すには、塗膜を全部削り落とすしかありません。
だから、今お住まいの家に何が塗られているかを知ることが先です。
どちらを選ぶかの判断
| あなたの考え方 | 向いている塗料 |
|---|---|
| 木目を残したい | 浸透型 |
| 数年ごとに塗り替えてもいい | 浸透型 |
| 塗り替えの間隔を長くしたい | 造膜型 |
| 色を変えたい | 造膜型 |
| すでに造膜型が塗られている | 造膜型を続ける |
どちらが正しいということはありません。 考え方の違いです。
ただ、板張りの外壁で見てほしい場所が2つあります。
1つは木口(こぐち)です。 板を切った断面のことです。繊維が露出しているので、ここから水を吸います。板張りの家では、木口の処理をきちんとやるかどうかで持ちが変わります。
もう1つは板の重なりの下端です。 下見板張りは板を少し重ねて張っていきます。その重なりの下側、水が切れる場所に水分が残ります。ここから腐りが入ります。
腐った板は塗っても止まりません
これは覚えておいてください。
木が腐っている部分は、塗料では止まりません。腐朽菌が内部で木を分解しているので、表面を塗っても進行します。
ご自分で確認できます。ドライバーの先で、怪しい場所を軽く押してみてください。 スカスカと入っていくようなら腐っています。硬くて入らなければ健全です。
腐った板は、塗る前に交換が必要です。板1枚か2枚なら、交換してから塗れば問題ありません。広い範囲に及んでいる場合は、工事の内容が変わります。
見積書に「木部の交換」が入っているか確認してください。 入っていない場合、業者が腐りを見ていない可能性があります。
モルタルやサイディングのお宅は
もちろん、上野村にもモルタルやサイディングの家があります。その場合は、ここまでの木部の話は当てはまりません。
| 外壁の種類 | 塗り替えの目安 |
|---|---|
| 板張り(浸透型) | 3年から5年 |
| 板張り(造膜型) | 5年から10年 |
| モルタル | 10年から15年 |
| サイディング | 10年から15年 |
板張りと他の壁材が混ざっている家もあります。1階がモルタルで2階が板張り、という作り方です。この場合、面ごとに別の塗料と工程が必要になります。
見積書が1行で「外壁塗装 一式」になっていたら、壁材ごとに分けてもらってください。 板張りの部分とモルタルの部分では、工程も単価も違います。
谷が深い村の外壁はどう傷むのか
上野村という土地の条件をお伝えします。
日照時間が集落で違います
上野村は、神流川の谷に沿って集落が点在する村です。標高は役場のあたり(川和)で550メートル前後、奥の集落は800メートルを超えます。
谷が深いので、山の陰になります。日当たりのいい斜面の集落と、山の北側に入る集落とでは、1日のうち日が差す時間が大きく変わります。
| 立地 | 日照 | 外壁に起きること |
|---|---|---|
| 南向きの斜面 | 長い | 紫外線で色あせが早い。板張りは特に |
| 谷底・北向きの斜面 | 短い | 湿気が抜けず苔が出る。木部は腐りやすい |
| 東西に伸びる谷 | 面によって大差 | 同じ家で傷み方が分かれる |
日の当たらない面は、木部が腐ります
板張りの家では、日照の差がそのまま寿命の差になります。
南面は紫外線で色が抜けます。これは見れば分かります。塗り替えの時期も分かりやすいです。
問題は北面です。 色は残っているのに、湿気が抜けないので内部で腐りが進みます。見た目がきれいなまま、押すとスカスカになっていることがあります。
南面は色が抜けていても、傷んでいるのは表面だけなので塗れば回復します。北面は色が残っていても、内部に腐りが入っていることがあります。
だから、北面こそ触って確認してください。 見た目だけで判断すると、北面を見落とします。
凍害も出ます
標高500メートルを超えるので、冬は凍ります。積雪はさほど多くありませんが、朝晩の気温は下がります。
モルタルの外壁では凍害が出ます。壁に染み込んだ水が夜に凍って膨張し、日中に融ける。これが繰り返されて、塗膜が浮き、表面が剥がれます。
板張りでは、凍害よりも湿気と乾燥の繰り返しが効きます。木が膨らんだり縮んだりして、造膜型の塗膜を押し上げます。
| 外壁 | 冬に起きること |
|---|---|
| モルタル | 凍害で表層が壊れる |
| 板張り(造膜型) | 木の伸縮で塗膜が浮く |
| 板張り(浸透型) | 色が抜けるが剥がれない |
寒冷地で板張りの家では、浸透型のほうが扱いやすいという考え方もあります。剥がれる心配がないからです。そのぶん塗り替えの間隔は短くなります。
どこにお金をかけるべきか
補助金がない前提で、優先順位をお伝えします。
腐った木部の交換がいちばん先です
板張りの家では、ここが最優先です。
腐った板を残したまま塗っても、進行は止まりません。数年後に、もっと広い範囲を直すことになります。
| 優先順位 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 腐った木部の交換 |
| 2 | 木口と板の重なりの処理 |
| 3 | 塗装(浸透型か造膜型) |
| 4 | 塗料のグレードを上げる |
予算を削るなら、4番から削ってください。 1番と2番を省くと、塗り直しになります。
外壁と屋根をまとめる
足場代は15万円から25万円です。上野村は傾斜地や谷筋に建つ家が多いので、組み方によってはこれより上がります。
足場は外壁のときと屋根のときで別に組むので、請求も別になります。同じ時期にやれば1回分、時期を分ければ2回分です。
板張りの家で浸透型を使う場合、塗り替えの間隔が3年から5年と短くなります。そのたびに屋根も一緒にやる必要はありません。 屋根の塗り替えは10年前後なので、間隔が合うタイミングでまとめるのが現実的です。
このあたりの組み合わせは、屋根の状態を見てから決める話になります。
現場を見た見積書をもらう
上野村では、これが大事です。
板張りかモルタルか、腐りがどこまで入っているか、足場をどう組むか、道幅はどうか。これらは家ごとに違います。
電話やメールだけで金額を出す業者は避けてください。 現場を見ないと、板張りの外壁の状態は分かりません。
比べるときに見るのは、合計金額ではなく中身です。
| 確認する項目 | 見るところ |
|---|---|
| 壁材ごとに分かれているか | 板張りとモルタルが別項目か |
| 木部の交換 | 腐った板の交換が入っているか |
| 塗料の種類 | 浸透型か造膜型か、商品名が書いてあるか |
| 木口の処理 | 別項目で入っているか |
| 塗る回数 | 何回塗るか書いてあるか |
| 足場 | 傾斜地の割増が説明されているか |
よくあるご質問
本当に上野村には何もないのですか
外壁の塗り替えに使える村の制度はありません。公式サイトを1ページずつ当たった結果です。
可能性が残るのは、後継者の条件(結婚中・45歳以下・定住意志)に当てはまる方が、借入をして工事をする場合の利子の助成だけです。塗装が「増改築」に含まれるかは村の判断になるので、振興課(0274-59-2111)で確認してください。
利子の助成は、本当に塗装で使えますか
断定できません。村のページには「新築、増改築」と書かれていて、「修繕」「塗装」の語がありません。
ただし、使えれば300万円まで借りた場合に約30万円の利息が助成されます。これは近隣の町村の補助金の上限と同じ水準です。聞く価値はあります。
聞くときは「外壁塗装の費用は増改築に含まれますか」と具体的に尋ねてください。そして借入をする1か月以上前に聞いてください。
45歳を超えていると、何も使えませんか
後継者定住対策の4制度は使えません。
ただし、保健福祉課の高齢者住宅改造費助成(6分の5・上限50万円)と重度心身障害者住宅改造補修費補助(6分の5・上限50万円)は、後継者要件とは別の制度です。年齢や所得の条件は違いますが、該当する方は使えます。塗装は対象外ですが、浴室やトイレの改修を考えている方は確認してください。
耐震診断も無料で受けられます。こちらは年齢を問いません。
板張りの外壁に何が塗られているか、自分で分かりますか
ある程度は分かります。
木目がはっきり見えていて、表面がマットなら浸透型です。手でさわると木の質感があります。傷んでくると粉を吹きますが、剥がれません。
木目が隠れていて、表面にツヤがあるなら造膜型です。爪で軽く引っかくと、塗膜の層が分かります。傷んでくると浮いて剥がれます。
どちらか分からない場合は、業者に見てもらってください。ここを間違えて塗ると、密着しないまま仕上がります。
まとめ
結論をおさらい
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 外壁塗装に使える村の補助金 | なし |
| 住宅資金借入金利子の助成 | 利息を全額助成(最長10年)。増改築は借入300万円以内 |
| その条件 | 結婚中・45歳以下・定住意志(後継者) |
| 申請の時期 | 借入をする1か月前まで |
| 高齢者住宅改造費助成 | 改修費の6分の5・上限50万円(バリアフリーのみ) |
| 耐震診断 | 無料。ただし改修工事の補助はなし |
| 「上限143万7500円」 | 山梨県上野原市の制度 |
| 窓口 | 振興課 0274-59-2111/保健福祉課 0274-59-2309 |
上野村で押さえること
1つ目は、電話が先だということです。 後継者の条件に当てはまるか、塗装の費用が増改築に含まれるか。この2つを振興課(0274-59-2111)に聞いてください。借入を考えている方は、申し込む1か月以上前に聞く必要があります。
2つ目は、板張りの外壁かどうかです。 板張りなら、浸透型と造膜型のどちらが塗られているかで、次に使える塗料が決まります。一度造膜型を塗った木には、浸透型は効きません。
3つ目は、北面を触ることです。 谷が深い村なので、北面は湿気が抜けません。南面は色が抜けて分かりやすいのですが、北面は色が残ったまま内部で腐りが進みます。
まずは北面の板を押してみてください
今日できることがあります。
家の北側に回って、外壁を手のひらで押してみてください。 板張りなら、ドライバーの先で軽く押してもいいです。
硬くて動かなければ、健全です。へこむ、スカスカと入る、指で押すとたわむ。こういう感触があれば、内部で腐りが進んでいます。
色がきれいに残っていても、これは起こります。見た目だけでは判断できない部分です。
ただ、どこまで腐りが入っているか、板の交換が何枚必要か、今の塗膜が浸透型か造膜型か。ここは触って、場合によっては削ってみないと分かりません。
とはいえ、業者に連絡するのは気が重いと思います。一度呼んだら断りづらくなるんじゃないか。まだ何も決めていないのに話が進んでしまうんじゃないか。そう身構えてしまうのは、当然のことです。
うちには営業マンが1人もいません。伺うのは、実際に塗る職人です。その場で契約を迫ることはありません。
板張りの外壁は、モルタルやサイディングとは別の見方をします。木口がどうなっているか、重なりの下端から水が入っていないか、今の塗膜が何なのか。見て、押して、分かることをそのままお伝えします。「今年はまだ要りません」とお伝えして帰ることもあります。
外壁診断もお見積りも無料です。
まずは、家を見せてください。判断は、そのあとで大丈夫です。